「信頼」「創造」「成長」を経営理念に掲げ、エネルギーを通じて地域のインフラを支える中国電力。同社の電力契約に係る約款の運用や料金関係の業務を担う販売運営グループは、コールセンター業務の安定稼働およびオペレーター出勤不可時における業務継続を目的にAIコンシェルジュを導入。今回、導入を推進した山根様・井本様へお話を伺った。
中国電力株式会社 販売事業本部
販売運営グループマネージャー ※撮影当時
山根 唯良 様
中国電力株式会社 販売事業本部
販売運営グループ副長
井本 圭治 様
井本様:当社では、災害や悪天候などによってオペレーターの出勤が困難になった際に、お客さまからの電話に応えられないという事態が過去にありました。また、繁忙期の際にはオペレーターの業務負担が増大し、お客さまからの電話に対する応答率が下がってしまうという課題を持っていました。
そこで、2020年10月よりエネコムが提供するAIコンシェルジュを導入し、コールセンターの電話申込み対応業務の一部を自動化いたしました。
井本様:AIという言葉がいろいろ出てきていますけれども、その中でも音声認識の精度がかなり上がってきたと我々も認識しておりました。ぜひそのような技術を試してみたいということで、今回AIコンシェルジュを導入させていただきました。
井本様:高度な音声認識技術、ランニングコストのコストパフォーマンスに魅力を感じ、導入を決定しました。
AIコンシェルジュによる自動応答では、お客さまが発話した内容と契約情報を照合しながら、契約内容の確認や手続きを進めていく。手続きの完了後は各担当部門へ作業依頼メールが自動で送信されるようにすることで、スムーズな顧客対応を可能にした。
現在はお客さまがオペレーターによる対応か、AIによる自動応答かを選択できる仕様になっている。
お客さまからの電話申込みに対し、契約情報を照合しながら
手続きを進め、担当者へ受付内容の作業依頼を行う。
・悪天候などによるオペレーター出勤不可時の業務継続
・繁忙期やピーク時間帯における電話応答率の向上
AIコンシェルジュによる自動電話応答の仕組み
導入効果
井本様:AIコンシェルジュによる自動応答を導入した結果、電話応答率は前年同月比で8%向上しました。
運用開始当初は「AI自動応答を選択してもらえるのか?」という不安もあったのですが、自動応答を選択するお客さまは想定以上に多かったです。自動応答にすることにより、必要最低限の会話で済むというところがお客さまにとっては非常に良かったのではないかと思います。
山根様:最初に想定していたとおり、音声認識率が非常に良く、当初予定した電話の受付についてもほとんどAIで自動応答できるようになりました。これによりオペレーターが対応する電話の件数も減り、電話の応答率も導入前に比べ向上しました。
株式会社エネコム
DXイノベーションサクセス部
髙草 大輝
高草:AIをいかに人間の能力に近づけるかといったことに苦労しました。
当社が持っているノウハウに加えて、中国電力が保有している業務知識をヒアリングによって引き出しながらAIに覚えさせることで高い認識率を得ることができました。
井本様:要望に対する対応の速さはもちろんのこと、AIのガイダンス作成の際も知見を活かしてのアドバイスが大変助かりました。当社の状況などをしっかり理解していただいた上で対応していただけるというのが本当にありがたかったなと思います。
同社においては、まだ一部の問い合わせを自動化したに過ぎない。今後は様々なケースの問い合わせや、それらの前後処理を含めた更なる自動化・効率化を予定している。
山根様:まだ一部のお問い合わせにしか適用してないので他のお問い合わせにも活用させていかなければいけないと思っております。ぜひこの音声認識技術を使って高度化を図っていきたいと考えております。
井本様:お客様からのご要望を文字に起こして、その回答をオペレーターにポップアップで表示するといったサポート機能の拡充にもつなげていきたいです。