課題
定型業務の負担軽減
業種
自治体

広島市

窓口業務へOCR・RPA(エネロボ)を導入し業務効率化を実現

EneRobo

POINT

広島県の県庁所在地であり、人口は約119万人を有している広島市。同市は定型的な業務に多くの時間を取られ、企画・立案などの業務に十分注力できていないという課題を解決するためOCR・RPA(エネロボ)を導入。今回導入を推進された笹山様、熊谷様、および実際に現場でOCR・RPA(エネロボ)を使われている花房様へお話を伺った。

主事 笹山 健太郎様

広島市企画総務局
行政経営部行政経営課
主事 笹山 健太郎 様

主事 熊谷 幸紀様

広島市企画総務局
行政経営部行政経営課
主事 熊谷 幸紀 様

主事 花房 菜々子様

広島市南区役所厚生部
福祉課高齢介護係
主事 花房 菜々子 様

RPA(エネロボ)導入の背景
行政サービスの拡大に伴い、定型業務の負担が増加していた

広島市では、少子高齢化などの社会情勢の変化に伴い、市民の方へ提供する行政サービスが拡大し、その結果、業務に携わる職員が事務処理などの定型的な業務に多くの時間を取られてしまい、企画・立案などの業務に十分注力できていないという課題があった。そこで、OCR・RPA(エネロボ)の導入により定型的な業務を自動化することで課題の解決を目指し、2019年9月から当社が提供するOCR・RPA(エネロボ) の導入を行い、本庁および南区役所にて部分的に運用を開始した。

ツールの選定基準
ツールの機能性や、導入後の支援体制等も選定のポイントに

笹山様:OCR・RPAツールの選定を行うに当っては、その機能はもとより、充実した研修や具体的な運用体制の構築支援なども、評価の基準としました。1度に複数のロボットを並行稼働できるかどうかという点だけでなく、ロボットが増えた際のライセンス料についても評価において重要なポイントと捉えています。このような観点から評価を行った結果、 エネロボの導入を決めました。

■選定ポイント
・ツールの機能性
・導入後の支援体制
・複数ロボットの並行稼働可否
・ロボットが増える際のライセンス料

主事 笹山 健太郎様

RPA(エネロボ)を活用している業務
帳票を扱う定型業務など、13業務を対象に20ロボットを作成

現在までに窓口業務をはじめとした13業務を対象に20ロボットを作成。主に市民の方から提出された申請書の情報を業務システム等へ入力する業務をRPA(エネロボ)が代行している。そのうちの1つが「介護保険高額介護サービス費等支給申請書の情報登録業務」である。OCR・RPA(エネロボ)の導入により、OCRで申請書を電子データ化し、職員が結果を確認した後、RPA(エネロボ)がシステムへ自動入力を行うようにした。

介護保険高額介護サービス費等支給申請書の情報登録業務

提出された介護保険高額介護サービス費等支給申請書に記載された情報をシステムへ登録する。

見直し前の課題

・手動による申請書記載情報の登録に多くの時間を費やしていた。 

・登録作業中の来客や電話対応による登録中断に伴い、手戻りなどが発生していた。 

業務の流れ

ロボット化
による効果

・RPA(エネロボ)が代行することで作業時間の削減を実現。

・間違いがないよう細心の注意を払って入力していた作業が減ったことで、精神的・身体的な負担も軽減。

RPA(エネロボ)の導入効果
業務効率化により創出された時間を、
新たな市民サービスの提供やサービスの向上に充てることが可能に

OCR・RPA(エネロボ)の導入により、作業時間の削減を実現。さらに間違いがないよう細心の注意を払って入力していた作業が減ったことで、精神的・身体的な負担も軽減された

笹山様:導入部署からは「実際使ってみて、どういったシーンでRPA(エネロボ)を使うことが効果的なのかが段々わかってきました。現状、毎日入力が必要ではあるものの、件数が少ないものに関しては現状の手入力の方が早いケースも多いですが、100件を超えるようなまとめて入力が必要な業務に関しては、時間短縮の効果が非常に高いと感じています。また、数十件程度の入力業務でも身体的な疲労感はグッと減るので効果を感じています。」という声が挙がっています。
 また、私自身は定型業務の効率化により創出された時間を新たな市民サービスの提供やサービスの向上などに充てることができると考えています。

花房様:最初のころはRPA(エネロボ)が上手く動かず難しい事もありましたが、操作に慣れていくにつれて、手入力するよりRPA(エネロボ)で入力した方が早く、その間に他の作業ができるという点でとても良いと思いました

主事 花房 菜々子様

エンジニアによる導入・運用支援
エンジニアがサポートすることにより、円滑な運用を後押し

当社では、RPAに関するコンサルティングや導入・運用支援サービスを提供しており、広島市へはロボット作成、ロボット運用ルール策定、OCR・RPA(エネロボ)の基礎から実践までの研修など、幅広くサポートを行ってきた。現在は、ロボット実行やロボット化業務の選定、各部署との調整およびトラブル発生時の対応を広島市が行い、それらに対する技術支援やロボット作成を当社が担当している。当社は、引き続き広島市の今後の展望実現に向けて支援を行うことで、広島市のさらなる業務効率化およびその先の市民サービスの向上に貢献していく。

笹山様:現場で発生したトラブルの際、現場に実際に足を運んでいただいて、現場の状況をエネコムに見ていただくことでそのトラブルの対処方法等をご教授いただいてフォローしていただくところがとても助かっています。

熊谷様:(ロボットを)去年作ったのがエネコムということもあるので、どういった仕様で作成したのか、どういったルールがあって、どういった作りにしているかといった説明をしていただいたうえで、実際に修正は職員が行うというサポートを受けています。

主事 熊谷 幸紀様

また、広島市はエンジニアによる導入・運用支援サービスのほかに、エネロボサポートセンター※も利用している。

笹山様:エネロボサポートセンターは何度か利用させていただきましたが、対応も丁寧で問題解決に非常に役に立ちました。具体的に必要な操作を添付画像で確認できる点などが便利だと感じます。

※エネロボサポートセンターとは、お客様とのお問い合わせページの中でエネロボに関する課題を解決までサポートするサービス(お問い合わせ回数は無制限)。さらにお問い合わせページの中で当社スタッフが必要と判断した場合、Web会議システムによるリモートサポートもご提案している。

今後の展望
今後は内製化や人材育成に力を入れるとともに、OCR・RPA(エネロボ)の全庁展開を目指す

広島市は、引き続きOCR・RPA(エネロボ)の適用業務の拡大を進めており、2021年度から全庁展開を予定している。また、今後も研修を継続的に開催することでOCR・RPA(エネロボ)の基礎知識や庁内での適用事例の共有を進め、更なる業務効率化や将来的にはロボット作成から維持管理までできる人材の育成を検討している。

花房様:他にもシステムへのデータ入力が必要な申請書がたくさんあるのですが、それらも自動入力にできればいいなと思います。今後は他の業務のロボットについても使えるようになりたいです。

笹山様:引き続き、OCR・RPA(エネロボ)を導入することで業務の効率化を図ることができる業務を選定し、関係部署との協議を行いながら、少しずつ導入事例を増やしていきたいと考えています。そのためには、研修を開催するなどして、OCR・RPA(エネロボ)で何ができるのか等を職員一人一人に正しく理解してもらうことが大切だと思います。そうすることで、業務の効率化につながる提案が、これまでよりも多く寄せられるのではないかと期待しています。

熊谷様:まだOCR・RPA(エネロボ)に関する知識が職員に浸透していないため、まずは基礎知識や、OCR・RPA(エネロボ)を導入した業務の効果などが広まっていけば様々な部署から「やってみたい」という声が上がってくると思います。今後さらなる定型業務の効率化を進めていければと思います。

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